業務用エアコンや冷凍冷蔵設備などに使用されている「フロンガス」。このフロンが大気中に漏れると、地球温暖化を加速させる大きな要因となります。そのため、企業や施設管理者には「フロン排出抑制法」に基づく定期点検の義務が課せられています。
しかし、点検を怠っていたり、法の内容を正しく理解していなかったりすると、知らないうちに法令違反となってしまうケースもあります。この記事では、フロン排出抑制法の基本から、違反を防ぐためのポイントまでわかりやすく解説します。
フロン排出抑制法とは?
フロン排出抑制法(正式名称:「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」)は、冷凍空調機器などからのフロン漏えいを防ぎ、地球環境の保全を図ることを目的とした法律です。
この法律では、機器の所有者(=管理者)に点検・記録・報告の義務が課されています。つまり、「業者任せにしておけば大丈夫」というわけではなく、設備の管理者自身にも責任があるのです。
定期点検の義務とは?
フロンを使用する業務用冷凍空調機器は、機器の種類と冷媒量に応じて定期的な点検が義務化されています。
- 簡易点検:3か月に1回以上(管理者が実施)
- 定期点検:冷媒量に応じて1年または3年に1回、有資格者による点検が必要
点検結果を記録し、漏えいが確認された場合は速やかに修理・報告を行います。点検記録は機器の廃棄後3年間保存するする必要があります。

違反した場合の罰則(主なもの)
点検を怠ったり、漏えい報告をしなかったりすると、法令違反とみなされます。主な罰則は以下の通りです。
1.不適切な放出(みだりな放出)
→ 1年以下の懲役または50万円以下の罰金。
2.機器廃棄時にフロンを回収しない
→ 50万円以下の罰金。
3.書類保存義務違反
- 引取証明書(写し)を保存しなかった場合:30万円以下の罰金
- 行程管理票(記録)の記載不備・保存義務違反:30万円以下の罰金
4.算定漏えい量の未報告・虚偽報告
→ 10万円以下の罰金
違反が発覚すると企業の社会的信用を失うリスクも大きく、コンプライアンス面でも重大な問題となります。
遵守のためのポイント
フロン排出抑制法に対応するためには、次の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
① 点検スケジュールの明確化
設備ごとに点検周期を管理し、社内で共有する仕組みを整えましょう。定期点検のスケジュールをカレンダーや管理システムで可視化することが有効です。
② 有資格者への依頼
定期点検は、冷媒フロン類取扱技術者などの有資格者が実施する必要があります。資格のない担当者が行った点検は法的に認められません。
③ 記録と報告の徹底
点検結果を記録し、漏えいが確認された場合は速やかに修理・報告を行います。点検記録は機器の廃棄後も3年間保存しておきましょう。

まとめ:法令遵守と環境配慮の両立を
フロン排出抑制法は、単なる規制ではなく、環境への責任を果たすためのルールです。定期点検を確実に実施し、記録・報告を徹底することで、法令違反を防ぎながら地球環境保全に貢献できます。