はじめに 冷房を使う前に「試運転」していますか?
北陸地方でも5月に入ると気温が上昇し、いよいよ冷房の準備が必要な季節となります。オフィスや店舗では、6月〜9月にかけて空調がフル稼働となり、トラブルや不具合が発覚するのは、たいてい『本格稼働が始まってから』。
しかし、夏本番にエアコンが故障すれば、修理依頼も殺到してすぐに対応してもらえないケースも……。
そうならないために、5月中の『試運転』が重要ですよ。今のうちに空調設備の状態を確認しておけば、安心して夏を迎えることができます。
試運転とは?どのように行う?
エアコンの試運転とは、冷房モードで短時間稼働させて「正常に動作するか」を確認することです。
【基本手順】
- 電源・リモコンの動作確認:リモコンのボタン操作がスムーズに行えるか、電池残量も含めて確認。
- 冷房モードに設定:設定温度を低めにして、明らかに冷風が出ているかをチェックしましょう。
- 異音・異臭チェック:運転中に耳障りな音やカビ臭などがないか。
- 室外機の確認:外部ユニットが正常に作動しているか、ファンが回っているかを目視で確認。
- 10分以上運転する:短時間では判断しづらいため、10分以上運転して室温が変化するかを観察。
こんな症状があれば要注意!
試運転中に以下のような症状があれば、専門業者による点検・整備をおすすめします
■ におい
・カビ臭、こもったようなにおい → 内部にカビやほこりが蓄積
■ 音
・ガラガラ、キーンという異音 → ファンモーターやコンプレッサーに不具合の可能性
■ 冷えない
・設定温度を下げても風がぬるい → 冷媒ガスの漏れやコンプレッサー異常
こうしたサインを見逃さず、早めに対応することで「夏の緊急停止」リスクを防げます。
フィルター清掃:節電・健康対策としても重要
試運転と同時に確認したいのが「エアコンのフィルター」です。
■ 清掃の必要性
・フィルターが詰まると風量が低下し、エアコンの負荷が増して電気代が上昇します。
・汚れたまま放置すると、カビや雑菌の温床となり、職場の空気環境に悪影響を及ぼします。
■ 清掃のタイミング
・月1回が目安。多忙な職場では2週間に1回を推奨。
・掃除機で吸い取る/水洗いして十分乾燥させる
「冷えにくい」=「故障」と思われがちですが、実はフィルター詰まりが原因だったというケースも少なくありません。

まとめ 試運転で“夏の安心”を先取り
エアコンの突然のトラブルは、快適性だけでなく業務の生産性や従業員の体調にも大きく影響します。
5月のうちに試運転をしておけば、部品交換や修理が必要な場合も余裕を持って対応でき、“冷えない夏”を防ぐことができます。忙しい時期ではありますが、わずか15分のチェックが、安心・快適な夏を支えてくれます。